2020-03-12

【編集後記】たべものたんてい この正体はなあに?|チャレンジ1ねんせい「わくわくサイエンスブック」3月号

2019年度チャレンジ1年生「わくわくサイエンスブック」3月号
(株)ベネッセコーポレーション様

この特集の企画が生まれたのは、確か夏ごろ。
クライアント様(というか、元先輩)とランチをしながら
「1年生向けに、今までにない特集作ろうよ!」
と言われたのです。

ふむ。
1年生向けか……。

企画から一緒に考えられるのは嬉しいんだけど
実は最初はあまりできる気がしなかったわたし。
1年生向けの特集って本当に難しいんです。
3月だとすると、ひろい読みを卒業していたとしても、ひとりですらすらと文字情報を読み取って、感じるのは難しい。
そして昨今はビジュアルコンテンツが充実していて
見るだけで発見のある写真をベースにするのも難しい。
(「見たことあるもの」が増えているからですね)
さらに、わたしがいちばんやりがいを感じるのは
テーマを面白くする「切り口」を探すことなんだけど
1年生に切り口作りすぎた、エッジの立った企画を渡しても
そこまでの作り込みにはなかなか理解してもらえないのです。
どシンプルで王道がやっぱりいい。
でもどシンプルで王道よりわたしはちょっと捻りたくなっちゃう。
だから、うーん、1年生か〜ってすぐには飛び付けなかったんです。

そこでガーリックシュリンプランチを食べながら
もんもんと2人で考えて浮かんだのが
「ビジュアルでなにかひねれないだろうか」という方向性でした。

紙媒体なので、「めくる行為」そのものをエンタメ化してしまって
めくるたびに粒度が細かくなっていって
最後は本当の正体がわかる、みたいなことがしたいかも。
めくってはもどって確かめて、を繰り返すことが楽しいしかけを作れないかな。

それで生まれたのがこの企画です。

食べ物は何からできているのかな?
たこやきは?
ではたこやきにかかっているマヨネーズは?
という正体が、ページをめくるごとに明らかになっていきます。

掲載した写真はデザイナー様が、ほとんどすべて撮り下ろしてくださいました。
たこ焼きを作ったり、マヨネーズをびよーーんとのばしたり、
小麦粉や砂糖やだし汁が動物っぽいかたちになっていたり
(液体の形をデザインに合わせてコントロールして撮影するってどんだけこだわるんだ…! と担当者様と2人でガヤガヤしました笑)
いつも本気すぎる本気を見せてくれるデザイナー様に感謝です。
ページ展開も含めて、チーム一丸、喧々諤々!? かなりもみもみしてできあがりました。

見たことあるものの写真ばかりなんだけど
前後の文脈が変われば発見になる。

見たことのあるものの写真ばかりなんだけど
とっても楽しめる特集になったと思います!

1年生向けのものに挑戦するチャンスをくださった
担当者様に感謝です。
とってもとっても楽しくて、勉強になるお仕事でした。

最後におうちの方向けの編集意図の原稿を引用します。
ちゃんとまなびにつなげるのは、もちろん……!

※超余談
巻頭にはおまけで「めんめんこ」というカードゲームがついています。
担当者様、デザイナー様との打ち合わせ中
「いろいろな麺の正体を明らかにするネタ捨てがたい。実はほとんど小麦とか、でも蕎麦粉とか米とかもあるとか、そういうのいいたい」みたいなつぶやきから生まれました。わたしほんと麺類好きなんです。
で、さらにその日わたしが持っていっていた名刺がかなり分厚い厚紙でできていて、紙好きのデザイナー様に「こ、これは、めんこができそうな名刺ですね……!」と言われたんです。
それがかけあわさって、全員の頭の中に浮かんだのがこれ。「め!!!めんめんこ!めんめんこ作ろう!!!!」
あの瞬間の現場はかなり心がひとつになりました。
(そこまで厚紙にはできなかったとのことで「めんめんこカード」になっていますが)
ちなみに1年生は「めんこ」知らないだろうから、親切に「めんこってなに?」という解説も入ってます笑 そこまでしてやりたかっためんめんこ。わたしはたずさわっていないのですが、デザインも超超超かわいいです!

■媒体
2019年度チャレンジ1年生3月号「わくわくサイエンスブック」
■コーナー名
たべものたんてい この正体はなあに? ずかん
巻頭12P
■クライアント
(株)ベネッセコーポレーション様
■担当業務
企画、編集、ミニラフ、原稿執筆(といってもほぼ原稿ないですが…)

編集後記/あさのみ ゆき

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