大切にしていること2 どうやってfunnyだけではない「面白い」を作るのか
funnyではなくinterestを作りたい、ということをこちらの記事に書いてみました。
どうやって、interestを作るのか、というのは、よく言われる「切り口」によると思います。
切り口の作り方は、編集者の腕の見せ所で、個性がでる部分です。
そもそも、interestを作るには、メッセージがあることは大前提です。
「売れそうだから」とか「面白そうだから」以上に、「伝えたいことが何か」にまずはこだわります。売れそうや面白そうが大事なのはもちろんだけど、それだけでは心に届くものは作れない。前職の会社では、それを「読後感を作る」と読んでとても大切にしていました。この特集を読んだ後、このコンテンツを見た後使った後、子どもにどんな感想を持って欲しいのかと考えることが「読後感」を考えること。企画書に必ず書きます。
それがあったうで、「じゃあそのメッセージを、どう伝えるのか」というのが切り口。
先輩の中には「嫌いな食べ物をどう料理して子どもに食べさせるかのアイディアを出す」と表現する人もいました。わかりやすい表現ですが、わたしの感覚は少しだけ違っていて、例えばピーマン嫌いな人(うちの夫)に切り刻んで見えないようにしてピーマンを食べさせても、「ピーマンってこんなにおいしかったんだ!」みたいな新しい価値観の獲得には繋がらないんじゃないかなと思うんです。この例でいくと、わたしは、まずは自分がピーマンと徹底的に向き合い、ピーマンのいいところや素敵なところはどこだろうと考えて、それをどうやったらターゲット(この場合は夫ですね)に伝えられるのかな、とあれこれ考える感じでしょうか。苦いピーマンの苦味を消せばOKでしょ、ではなくて、ピーマンのいいところは苦味だったりするので、その持ち味を消してしまう演出や切り口では、メッセージは伝わらない。わたしの場合、人に伝えるにはまずは自分自身が徹底的に感動し心を動かすことからはじまります。
では誤魔化さずにどう調理するか、です。
わたしの作る企画は「自分(=読者)と陸続き」が持ち味なのかなと意識しています。
「読者」と「新しい価値観やメッセージ」を陸続きにすること。
知っていることや自分の暮らしに軸足をおきつつ、少しはみ出して、驚きを作っていくイメージ。自分とつながっていて、でも自分では知らなかった新しいことと出会ったときに「おもしろい」と感じるのは大人も子どもも一緒だと思います。自分にはまるで関係のない出来事からは発見がしづらいのですよね。
しつこくピーマンの例でいくと、苦いから切り刻むという一択ではなく、例えば、知らなかった食べ方をする、食べるんじゃなくて眺めてみたりにおいをかいでみる、育ててみる、栄養面的な知識を知る、歴史を知る……多面的に考えるとピーマンのいいところを伝える方法はたくさんあります。もちろん、モチベーションを作るためには、アテンション、フックの作り方も大事で、それは演出によるところが多いです。これはいかにたくさんのものをみて自分の中に演出の引き出しがあるか、に尽きると思います。日々勉強しております……。
↓歴史の勉強がこれからはじまる3月ごろの5年生「歴史」に興味をもってもら特集の切り口を探っているメモ
「陸続き」を作る時には、読者の目から世界を見ることがとても大事。
よく言われる話でいうと、大人は「勉強=いやなもの」と捉えがちだけど、子どもにとっては新しいことを学ぶことは楽しいことだったりする。自分の先入観で価値を決めるのではなく、この企画のターゲット・読者がどう捉えているのか、を見るために、読者を自分の中にインストールします。自分の中にターゲットをインストールして、ターゲットの目で世界を見ると、頭の中できっとこの人はこういう場面でこういう行動をするな、こういう発言をするなと勝手に動き出してくれます。キャラクターを作るイメージです。
ターゲット分析をするときは「一人の読者をイメージしなさい」などと言われることも多いです。前職の社内で、読者像の作り方の研修をしたときに、「たった一人のために作った企画は、その一人にしか響かないのでは?」と質問をもらうことがありました。わたしは、「たった一人のため」ではなく、その読者の属性の「あるある」を想像しながら、アメトーーク(大好きで欠かさず録画してます)の「○○芸人」みたいなカテゴリー集団を作ることを意識してやっています。
妄想と、ロジックをいったりきたりしながら、ものを作るのは最高に楽しい時間!
そんな感じでものを作っていくステップは、こちらのお仕事事例に簡単にまとめてみました! こちらもぜひご覧ください。
コメントを残す